当院における鼻・副鼻腔炎治療

急性鼻・副鼻腔炎

 そのうち治るという確信のない治療は行わないことにしています。急性鼻・副鼻腔炎の患者においては、鼻の中を観察して粘膜の腫れと鼻汁の付着している部位、量と性状を観察し、アレルギー性か細菌性かを判定します。。顔面に痛みがあるようであれば、眼鏡をはずしてくださいおでことほっぺたを叩きますと言って指先で軽く叩きます。これは叩打法と言って副鼻腔炎においてどこに炎症がひどいかどこに膿汁が溜まっているかを知る重要な診断法です。さらに、必要であればレントゲンを撮影してどこの副鼻腔に炎症がひどいかを確定させて、説明してその所見をスマホに残してもらいます。鼻の中の膿汁をしっかり吸引して、さらに、薬のついた綿棒で鼻の粘膜を収縮させて超音波ネブライザーで薬(抗生物質)を鼻の中の隅々まで噴霧させます、膿汁の量が多くて顔面の痛みが酷いときにはプレッツ置換法という生理食塩水で鼻の中を洗ったのちネブライザーを行う治療を積極的に行っています。治療のスケジュールは、キノロン系の抗菌剤を3~5日投与して、排膿を促進させる消炎剤を原則として三週間投与します。その間、週に一回から多くて二回通院してもらいます、経過がよくないときには、プレッツ置換法を行い、在宅で毎日二回生理食塩水(サイナスリンス)で鼻腔洗浄をおこなってもらいます。 基本として、全治三週間を必要としています。 途中でやめると多くの場合には二週間後に再発しますから、だまされたと思ってしっかり治療しましょう。

慢性副鼻腔炎手術

手術が必要な慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症等では、局所麻酔下に手術を行っています。原則として土曜日の午後、外来診療が終わってからおこなっており、日帰り手術で入院を必要としていません。アレルギーのレザー治療は、平日の朝外来診療の前に行っています。ネットの書き込みに、手術が痛かったというものがありますが、そのような方は、全身麻酔での手術を行ってもらってください、ただし入院は長くなり全身麻酔の費用が掛かりますから、手術費用は高くなります。

子供の鼻処置とネブライザー

 経験ある親は、鼻汁のある上気道の炎症は、小児科で投薬を受けるだけではなく、耳鼻科で鼻汁を吸ってもらってネブライザー治療を併用したほうが早くよくなることを知ってします。しかし、ネブライザーの役目を考えたことのない親は、ネブライザー治療の奥の深さを知りません。ネブライザー治療の基本は、中が見えるガラスの吸引管で鼻汁をしっかり吸引して、その量と性状を観察することにあります。透明であれば原則として抗生剤の吸入や投薬は必要ありません。しかし、膿性で粘稠性でべったとしているときには鼻汁をしっかり吸った後で鼻の通りをよくして抗生剤の入った吸入と抗生剤の投薬が必要となります。子供は、最初鼻汁を吸われることに驚いで泣きます。処置する医者は早く良くなってくれとの思いで、心を鬼にして鼻汁を吸います。そのうち、鼻汁を吸ってもらうと、鼻が通るようになって気持ちよくなると、その効果を実感するようになるころには泣かなくなります。そのころには、病気は治っています。いつものかかりつけが休みだったので来てみました、子供が泣いて怖がっています、もう当院にはいきませんという書きこみがあります。折角、遠いところ来院してくれたのだから、しっかり治療してよくなってくださいという、鬼医者の仏心を少しは理解してもらいたいものです。